テキコメ

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憲法9条改正における3つの争点について。


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5月3日は憲法記念日です。1947年のこの日に、それまでの大日本帝国憲法に変わって日本国憲法が施行されました。

安倍首相は公開憲法フォーラムにビデオメッセージを寄せ、憲法9条改正に意欲を示しています。

憲法9条の改正の是非について、よく新聞やテレビなどでも取り上げられていますが、それぞれの主張が目立ち、何が争点かがぼやけていると感じます。

そこで、私なりに憲法改正の争点についての考えを述べたいと思います。

※私は憲法の専門家でも何でもありません。憲法の素人で自分の知識の範囲内で述べています。間違っている内容もあるかもしれません。

 目次

 

個別的自衛権集団的自衛権

憲法9条改正の是非を考えるにあたって、先ずはこの2つを理解しておく必要があります。

 

個別的自衛権

他国からの武力攻撃に対し、実力をもってこれを阻止・排除する権利

出典:Wikipedia-自衛権より

集団的自衛権

他国に対して武力攻撃があった場合に、自国が直接に攻撃されていなくても、実力を以って阻止・排除する権利

出典:Wikipedia-自衛権より

 

個別的自衛権は自国が武力攻撃された際、その相手に際し武力行使を行いますが、集団的自衛権は同盟関係国などの他国が攻撃された際(自国が攻撃されていなくても)、その相手に際し武力行使を行います。

 

現行の憲法9条自衛隊は合憲なのか

個別的自衛権集団的自衛権を行うには武力を行使する一定の戦力が必要になります(武力によらない自衛という考え方もありますが、ここでは戦力が必要という前提で述べていきます)。

そこで、現行の憲法武力行使を行い戦力を保持できるのかが論点になります。

先ずは、現行の憲法9条を見てみましょう。

1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

これをサッと読んだだけでは、武力行使もできず、戦力も保持できないと思われるかもしれません。

そこで、芦田修正と呼ばれるものを知っておく必要があります。

実は、この憲法9条には芦田均氏による一部修正が加えられた後の条文であり、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」の文言と「前項の目的を達するため」の文言は後から付け加えられたものです。

特にこの「前項の目的を達するため」の文言の追加がポイントで、前項の目的以外では必要最小限の武力行使を行う戦力を保持できるという考え方ができます。

また、自衛隊の合憲性を考える上で、日本国憲法13条も考慮する必要があり、

日本国憲法13条には

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする

とあり、国民の生命尊重について記載されています。

すなわち、日本政府は他国の武力攻撃から日本国民の生命を守る必要性もあり、そのために必要最低限の武力行使や戦力も必要であるという考え方です。

防衛省のホームページに政府の考え方がより詳細に記載されています。

 

個別的自衛権集団的自衛権の合憲性

自衛隊による個別的自衛権集団的自衛権の合憲性ははっきりしていません。

裁判所もはっきりと自衛隊は合憲だとも違憲だとも判決を下したことはありませんし、憲法学者の意見もバラバラです。

今のところ、自衛隊による個別的自衛権はグレーで集団的自衛権はかなり黒いに近いグレーというのが一般的でしょうか。

 

憲法9条改正における3つの争点

それでは、以上を踏まえ憲法9条改正にはどうような争点があるか、3つ述べたいと思います。

 

1.自衛隊も個別的自衛権も現状の9条で問題ない。よって憲法を改正する必要はない。集団的自衛権は必要ない。

2.自衛隊も個別的自衛権も現状の9条ではグレーなので、憲法改正でハッキリと保持・行使できるとしておいた方がよい。しかし、集団的自衛権は必要ない。

3.自衛隊も個別的自衛権も現状の9条ではグレーなので、憲法改正でハッキリと保持・行使できるとしておいた方がよい。そして、集団的自衛権も必要である。

 

他にも細かい争点があるかもしれませんが、大きくこの3つになると思います。

1は反対、3は賛成、2は改正後の内容での集団的自衛権の有無についてどうなるかというところでしょう。

次の7月実施予定の参議院選挙の結果によっては、憲法改正国民投票が初めて行われる可能性があります。

その為に、私もしっかりと現行の憲法について考えていきたいと思います。